セール価格の怪
洗濯用の洗剤を切らしたので近くのスーパーマーケットに買いに行きました。
入り口に貼ってあったポスターでいつも家で使っているブランドの洗剤がセールになっていることが分かり、ラッキー。
洗剤の棚のある通路に行ってみると、そこに30代くらいの男性が立って、両手を腰に当てた格好で棚の洗剤をにらんでいます。
私は「?}と思いながら棚の洗剤に手を伸ばしました。棚の一番上、私の目線より少し上のところに「本日のセール品」の洗剤が置かれています。500g入りで$3.29。その下の棚、ちょうど私の目の高さの棚には同じ洗剤の1キロ入りの箱。$9.39。
……え? え?え?
私は数字・数学がことのほか苦手です。列車事故でたくさんの死傷者が出たという新聞記事を読んだりした場合、その事故が起こった場所、状況、原因(と思われるもの)などはしっかり覚えているのに、事故が起きた時間や犠牲者の数など、数字に関する情報だけはすべて記憶から抜けています。
ですから、こんなふうな日本人の市場論理ではどうしても理解できないような価格設定をされると、ものすごく不安になってしまうのです。私の暗算が間違っているのだろうか……? いや、もしかしたら
ドコカニ オトシアナガ アルノカモシレナイ
気づくと、私も先ほどの男性の隣に立ち、同じように腰に両手を当てて棚の洗剤をにらんでいました。
そして、ふと一番下の足元に近い棚に目をやると……
$12.39の値段のついた2キロ入りの箱が。
う〜〜ん……
洗剤1箱を買うのにずいぶんと時間がかかってしまったショッピングでした。