ふたりの娘。二匹のメス猫。そして発達障害気味の夫。帆の街での「ごく普通の家族」のごく普通の一日はきょうもボチボチと暮れていきます。

母が逝ってしまいました。

 先週の月曜日早朝に、突然母が逝ってしまいました。



 ニュージーランドと日本の時差は、夏季の今は4時間。



 ちょうど娘達とお昼ご飯を食べ終わった頃、母と同居している姉から電話がありました。



 母がなかなか起きてこないので見に行ってみたら……、という姉の電話に「え? え?」としか答えることができませんでした。



 あまりの突然のことに涙など出ませんでした。



       さぁ、どうしたらいい?
       まず、何をする?



 頭の中はいろいろなことがぐるぐると駆け回っていたような気がします。



 そして、月曜日の午後と翌日の火曜日、私自身もそこらじゅうを文字通り駆けまわって、山のような用事をこなし、電話をかけまくり、



 水曜日の日本行きの飛行機に乗りました。



 姉がお寺さんと相談して、お通夜とお葬式は私が日本に着くまで待ってもらうことにしてくれたので、最後の母の顔を見ることができました。



 眠っているような、きれいな顔でした。



 まぁ、それにしても……



 母らしい逝き方ではありました。



 誰にも何も言わずに、ひとりでとっとと逝ってしまうなんてね。



 み〜んなびっくりして、あたふたして、大変だったんだよ、お母さん。



 3年前に先立った父とは、生前は喧嘩ばかりの母でしたが、こんなに早くに父の元に行ってしまったというのは、やはり寂しかったのでしょうか。



 でも、今頃、また喧嘩しているような気もする。



 お葬式を終えてあわただしくニュージーランドに戻った私にはまたいつもと変わらない毎日が待っています。



 母がもういないという実感は、まだありません。



 それは、たぶんこれからも同じだろうという気がしています。



 そのせいなのか……



 私はまだ一度も大きな声で泣いていません。