ふたりの娘。二匹のメス猫。そして発達障害気味の夫。帆の街での「ごく普通の家族」のごく普通の一日はきょうもボチボチと暮れていきます。

The Kids are All Right

 映画を見てきました。


 先月のうちに友人たちと見に行く約束をしていた映画なのですが、急に私が日本に行くことになり、いっしょに行くことができませんでした。みんなの感想を聞いたらやっぱり面白そうなので、今日は一人で映画館に行ってきました。


  『The Kids are All Right』というタイトルの映画です。




  たぶん日本では公開されないだろうなぁ。


 そんな感じの映画です。


 ゲイ(レズビアン)のカップルが同じ男性から精子の提供を受けてそれぞれに子供を産み、母親ふたり子供ふたりの4人家族。変則的ではあるけれど「家族」として平和な暮らしをしていた4人の元に精子の提供者、つまり子供たちの父親が現れたことで「平和な家庭」に危機が訪れます。



 おもしろいなぁと思ったのは、母親二人の家庭でも「役割分担」(?)ができていること。


 父親役のニックは医者で、一家の大黒柱として経済的、精神的に家族を支えなければならないという責任感がストレスとなっていて。


 
 一方、母親役で子育てや家事に専念してきたジュールは、いろいろと仕事に手をつけるのに結局は中途半端に終わってしまう自分を、医師としてパリバり働いているニックと比べて劣等感を感じていて、「本当は自分も外で働きたかったのに、ニックが私を家庭に縛りつけた」みたいな不満を持っています。



 ゲイのカップルでも倦怠期ってのはあるんですねぇ

 
      
       そこへ登場した「父親」ポール。


 
 テキトーに緩くて、子供たちが「ちゃんと」育っていることを素直に喜び、息子の悪い友だちとの付き合いにもきちんと釘を刺したりして。



      まぁ、けっこういいヤツ。



 結局、このポールが一番かわいそうな役回りだったかなぁ。



 すったもんだの末、ニックとジュールの家族は「雨降って地固まる」みたいに収まるけれど、結構本気でジュールを好きになってしまったポールは中途半端な付き合いをしていた恋人とも別れるのに、ジュールには


      あんた何考えてんの?
      あたしはレズビアンよ!


なんて一蹴されてしまって。



 ニックには


   これはあたしたちの家庭なの
   あんた家族が欲しいなら自分で自分の家族を作んなさいよ!


 なんて言われてしまうし。ポールはジュールと家庭を作りたいと思い始めていたんだろうに……。ジュールにしてみれば、ニックと気持ちがすれ違うようになってしまった寂しさからのちょっとした「浮気」。

 
 
 ゲイカップルの家族というとっても「新しい」設定だったけど、物語そのものは古典的でした。



 娘のジョニ役の女優さん(ジョニー・デップの『不思議の国のアリス』でアリス役をやった人)がとっても爽やかな感じで良かったな。



 年頃の女の子なのに浮ついたところのないしっかりした優等生という役がら。Tシャツにジーンズといったシンプルな服装がすごくすっきりしていた。長女が好んで着る服に近くて、なんだかちょっと嬉しかったりして。