ふたりの娘。二匹のメス猫。そして発達障害気味の夫。帆の街での「ごく普通の家族」のごく普通の一日はきょうもボチボチと暮れていきます。

Amour

きのうは雨の中、久しぶりに友人たちと映画を見てきました。



フランス映画のAmour



         




暗い映画でした。



寝たきりになった年老いた妻を、同じく年老いた夫が自宅介護するも
妻の病状は悪化の一途をたどり、次第に夫も介護に疲れ……





というストーリーですから、暗くないわけにはいきません。




BGMは一切なし
老夫婦が元教え子のピアニストのコンサートに出かける冒頭のシーンを除き
舞台はずっと二人が暮らすアパートの中だけ。




ふたりの毎日の暮らしが淡々と、静かに描かれ
そして映画は静かに終わります。



日曜日の午後、映画館はほぼ満席でしたが
エンドロールが流れてもやはり音楽はなく、
観客たちは皆、無言のまま席を立って静かに出て行きました。



すごく不思議な感じだった。




わたしたちが映画の主人公たちの年齢に到達するには
まだ少し時間がありますが
それでも遥かかなたというわけでもなく
他人事ではないぞ、というのが感想。




 ―もしもあたしたちが倒れたら、旦那はあんなふうに介護してくれるかね?

 ―ウチは絶対無理。とっとと施設に入れられちゃうよ

 ―逆に旦那が倒れたら、あたしたちは介護できるかな?

 ―体力的に無理でしょう。
  病気で痩せていても、大男の旦那のおしめ替えはできないと思うよ。

 ―もっと小柄な男性と結婚してたらよかった?




……てな会話が映画後にわたし達の間で交わされたわけで




それを思っても、
この映画のタイトルが『Amour(愛)』というのは
ひじょうに深いです。




週末、オークランドは待望の雨が降りました。
(思ったほどの量は降りませんでしたが)



外出していてわたしは気づきませんでしたが
午後に2回も地震があったそうです。



映画前にお昼を食べたカフェは激混みでしたが
可愛いお店で、食べ物もどれもおいしく
いいお店を発見したと友人たちと喜びました。



いろいろありましたが
あの静かな映画の余韻がずっと残った日曜日でした。