ふたりの娘。二匹のメス猫。そして発達障害気味の夫。帆の街での「ごく普通の家族」のごく普通の一日はきょうもボチボチと暮れていきます。

春の初日 ~「請う、ご期待」 結果報告~

ニュージーランドでは9月から春が始まることになっています。

今日、9月1日は春が始まる日と子供たちは学校で教わります。

 

 

 

そして、春の第一日目のはずの今日は朝から冷たい雨が降り続く寒い一日。

ここ数週間でも一番寒い日になりました。

ニュージーランドの長~い冬は、当分終わる気配がありません。

 

 

 

その雨の中、わたしは高等裁判所に行ってきました。

 

 

 

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                      そう、お約束の陪審員の召喚です。

       (「お約束」についてはこちら)

 

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今日召喚された約100名ほどの中から、まず45人を選び

その中からさらに12名の陪審員が抽選で選ばれます。

 

 

 

前回の召喚でわたしが出かけたのは地方裁判所だったので

扱う事件は軽度のものが多く、

裁判が行なわれる期間はほとんどが2,3日

中には1日で結審という裁判もありました。

が、その分、開廷している裁判の数も多くて

 

 

 

4年前にわたしが行ったときもその日に始まる裁判が3件あり

その3件の陪審員に選ばれなくても

翌日から始まる裁判の陪審員候補として、また裁判所にでかける必要がありました。

 

 

 

今回は高等裁判所だったので、今週中に開始される裁判は1件のみ

ただし、裁判の期間は2週間の予定です。

選出されたら、2週間、裁判に集中しなくてはなりません。

 

 

 

さて、抽選です。

 

 

 

なにしろ「くじ運がいい」上に、

「小さな不幸」が次々に押し寄せているわたしですから。

 

 

 

当然のように45人のひとりとして選ばれ、

その後、法廷でも、早々と5人目に12人の一人として名前を呼ばれました。

 

 

実は、

抽選が行なわれる前に上映された陪審員の内容を説明するDVDを観て

おもしろそうだな、という気持ちになっていました。

テレビや映画でしか見たことのない裁判の様子を経験できるというのは

けっこう貴重なことかもしれません。

 

 

 

が、ネックとなるのはやはり「言葉」

まったく無理ということはないかもしれない、

なんとかやっていけないことがないだろう、とは思ったのですが。

 

 

 

法廷に入って、被告人の罪状説明を聞いてその気持ちが少し揺らぎました。

聞き取れなかったんです、半分ほどしか。

大丈夫かもしれないという気持ちと

やっぱり無理という気持ちが半分ずつ。

 

 

それで、名前を呼ばれたときに、決心しました。

 

 

陪審員に選ばれても、何らかの理由でできないときは

直接裁判官に交渉するというのがルールです。

 

 

陪審員候補の人たちだけでなく、法廷スタッフや弁護人、検察官などの

たくさんの人たちの視線を浴びながら一番前の裁判官の席へと進み出て

そこで交渉するというのも、ずいぶんと勇気のいることではあります。

 

 

が、とりあえずは、まずそこで勇気を出してみようと。

裁判官が「ノー」と言うのなら、腹をくくります。

 

 

結果、

免除していただきました。

 

 

 

わたしは英語が母国語ではなく、裁判の内容を十分理解できる自信がない

と言いましたら

「この国に何年住んでいるか」「外で働いているか」と質問され

わたしの答えを聞いた裁判官は、あんがいあっさりと「You are excused」と。

 

 

その後、法廷の外にでましたら

わたしの前に名前を呼ばれ、やはり交渉の結果免除されたマオリのオバサンに

「アンタの英語は十分うまいわよ」と言われましたけど。

(あのオバサンが免除された理由は分かりません。

        英語が理由じゃなかったことだけは確かだと思うけど)

 

 

少し頑張ってみればできたかもしれない、という気持ちもあるので

ちょっと罪悪感を感じちゃったりしているのですが、

この冷たい雨の中、裁判所まで出かけただけで

十分義務は果たしたのだと思うことにしよう。

 

 

 

それに、

召喚に応じれば、陪審員に選出されなくても

少なくともその後の2年間は召喚されないはずなのですが

なにしろ、ほら、「くじ運がいい」ですから。

 

 

きっちり2年後にはまた裁判所に行っていることでしょう。

そして、今度こそ、言葉が理由の免除も認められず、

陪審員を務めることになっているはず、です。

 

 

「請う、ご期待」はそのときまで取っておくことにいたしましょう。