次女、巣立つ その3
出足でつまづいて大いに慌てましたが
JBの活躍でなんとか解決した後は
寮への引っ越しはとても順調に進み
オークランドから運んできた荷物も
お昼ごろには次女の新しい部屋にすべて収まりました。
Palmerstone Northに来る前に
いろいろと買い物をして準備したつもりでしたが
いざ引っ越しをしてみると、やはり足りないものも出てきたので
お昼ご飯がてら街に戻って買い物をし、
寮に戻った後は、
夕方から新入生歓迎会のバーベキューパーティがあるという次女を置いて
わたしとJBは宿に戻りました。
JBとふたりの夕飯は
スーパーマーケットで買い込んできた
パンとコールスローサラダとローストチキン
娘たちが一緒のときは
どうしたら楽しい食事になるかと
いろいろと考えて心を配りますが
JBだけならそんなことは必要なし
とにかく安上がりであることがJBにとっての最優先事項ですから
安いパンに安いコールスローと安いチキンを挟んだサンドイッチで
JBは十分にご機嫌です。
翌日の月曜日は、次女につきあって
授業に必要な参考書やラボで着る白衣などを
キャンパス内のショップで買い込み
寮まで次女を送って、わたしたちはPalmerston Northを後にしました。
寮の駐車場でサヨナラを言った後は
車の中のわたしたちを振り返ることもせずに
建物の中に入って行く次女を見送りながら
あぁ、あの子は
わたしたち(特にJB)のそばを一刻も早く離れたいと
そう思っていたんだなぁ、と。
まだ18才にもならない次女が
オークランドを離れる決断をしたことに
わたしは少々驚いていたのですが
その理由の一部はわたしたちだったんだなぁ。
次女とわたしとの関係が悪かったとは思っていませんから
わたしたちの元を離れたいと思った彼女の気持ちを
悲しいとは感じません。
新しく始まる生活への期待で胸がいっぱいなんだろうな。
なんの憂いもなく、未知の世界に飛び込んで行かれるのは
たぶん、振り向けば必ずそこにわたしたちがいることを
次女が確信しているからなのだろうな。
駐車場で別れる前に、一緒に部屋まで付いて行こうとして
次女に「NO!」と断られたJBは
その辺のところ、どう思っているのでしょう?