ふたりの娘。二匹のメス猫。そして発達障害気味の夫。帆の街での「ごく普通の家族」のごく普通の一日はきょうもボチボチと暮れていきます。

Green Book

アカデミー賞の作品賞を受賞した『Green Book』

観てきました。

 

 

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黒人の天才ピアニストのドン・シャーリーと

イタリア系白人の運転手トニー・バレロンガとのバディ物

 

 

幼い頃に英才教育のためにロシアに送られ

アメリカの黒人文化を知らずに育ったドン・シャーリーは

映画の中で

うれしくなるくらいにきれいで分かりやすい英語を話してくれました。

 

 

一方の労働者階級のトニーの英語は

イタリアなまりもあって、聞き取りにすごく苦労しました。

セリフの半分くらいは理解できてないのかもしれない。

 

 

そういう、今までの白人と黒人のドラマとは逆のパターンが

話題になった映画でもあります。

 

 

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     トニーが奥さんに書く手紙は小学生の作文みたい

   出だしの「Dear」のスペルが「Deer(鹿)」になっちゃってたり

   見かねたドンが手紙の書き方を(正しいスペルも含めて)指導します

 

 

舞台は60年代初頭

この時代を舞台にした映画を見るたびに

ほんの50年ほど前のことなのに

こんな非常識が常識だった時代があったんだと

不思議と当惑の混ざった気分になります。

 

 

ドン・シャーリーを招いた側は(観客も含めて全員白人)

「あなたのような方とお会いできて光栄です」と言い

シャーリーの演奏に拍手喝采しながら

黒人は白人と同じレストランで食事ができない

白人と同じトイレを使用できない

ということになんの疑問も持っていない。

 

 

あの頃から時代は大きく変わりましたが

解決できていない問題はまだまだ残っているのかもしれません。

 

 

この作品にだって

白人が上から目線で作った「白人が黒人を救う物語」で

白人の自己満足だ、とかいった批判が

あっちこっちから出ているみたいですもんね。

監督が黒人だったらよかったのかな。

いや、それならそれで、「黒人が白人に迎合した」なんて言われるのかも。

 

 

こんなに素敵な映画なのにね。