金継ぎはアートだ!
先週末、
金継ぎのワークショップに参加してみました。
日本で買った食器の中に縁が欠けてしまったものがいくつかあって
捨てるのは嫌だし、なんとか修繕できないものかと
実はずいぶん前から思っていました。
ある日、娘たちが通った高校で運営している
地域の住民を対象にしたコミュニティカレッジのコース案内に
「Japanese Art : Kinstugi」という文字を見つけて
これだぁ! と、即、参加を申し込んだのですが。
事前にちょっと調べてみると
金継ぎに使ううるしは乾燥させるのにだいぶ時間がかかるらしい。
週末2日間だけのワークショップで大丈夫なんだろうか
と思っていたら……
ワークショップは、まず「無傷」の湯飲みを割ることから始まりました。
この湯飲みを割って こうする
↓
え? 修繕するんじゃなくて、壊しちゃうの?
と、戸惑っていると、次に割れた破片をくっつける「接着剤」が登場
金継ぎではうるしが使われるわけですが
日曜大工のお店などで買える強力接着剤
なるほど、これなら30分ほどで乾きます。
さらに、「金継ぎ」と呼ばれるのはつなぎ目に金の粉を使うからですが
わたしたちが使うのは「金色の金属粉」
強力接着剤も金属粉も有毒なものです。
なので、できあがった「作品」は決して食器として使用しないように
と講師に言われて、どうやら勘違いをしていたらしいと気付いた次第。
これは「食器の修繕」のワークショップではなく
「Kinstugi」というアート作品を作るワークショップだったのです。
確かに、
同じテーブルで作業をしていた参加者と話してみると
皆、絵を描いていたり、彫刻を作っていたりと、アーティストたちばかり
食器を修繕して使いたいなんてせこい実利的な考えで参加したのは
もしかしたらわたしだけだったのかも。
でも、2日間のワークショップで金継ぎの大体の手順は把握できました。
接着剤が乾くまでテープで止めておきます
大きな破片は繋げましたが、ちょっと穴が開いてしまった
この部分は、うるしにおがくずなどを混ぜて「パテ」をつくり
それでふさぎます
この作業は講師の方にやってもらいました
接着剤が乾いたら、継ぎ目にうるしを塗って
そこに金粉をふりかけたら、できあがり!
しかし、実際にやってみると、けっこう忍耐力が必要で
結果を急ぎたがる傾向のあるわたしは
うるしが乾ききらないうちにあちこち触ってしまったようで
全体にぼんやりと汚れがついたような仕上がり
これは、うるしがついた指で触った部分に金粉がくっついてしまったためで
きめの細かいサンドペーパーで気長にこすり落とす必要があるようです。
うるしのパテで埋めた穴も、うるしが完全に乾くまでは時間がかかるので
その部分の扱いは注意が必要です。
講師の方はセラピストで、金継ぎをセラピーに使っているそうで
確かに、金継ぎは集中と忍耐が必要な作業だなあとは思いました。
でも、わたしの金継ぎの目的はセラピーでもアートでもないの。
日本には初心者向けの金継ぎキットなどもあるらしいから
それが手に入ったら、我流で修繕していこう!