ふたりの娘。二匹のメス猫。そして発達障害気味の夫。帆の街での「ごく普通の家族」のごく普通の一日はきょうもボチボチと暮れていきます。

バット・ボーイ

 長女が出演するスクールミュージカル『バット・ボーイ』を観てきました。



 舞台はアメリカヴァージニア州の小さな町。



 洞くつ探検に出かけた3人の兄妹が、そこでコウモリと暮らす少年を発見し、町に連れ帰ります。



 獣医一家に引き取られたコウモリ少年はエドガーと名付けられ、獣医の家族と暮らすうちに人間の言葉を覚え、読み書きもできるようになります。


 
 人間の暮らしにすっかり馴染んだコウモリ少年は町の一員として暮らしていきたいと望みますが、



 自分と異なるもの、未知へのものに対する人々の恐れとそれが生む差別観がコウモリ少年の前に立ちはだかります。



 一方で、コウモリ少年エドガーに母親のような愛情を注ぐ獣医夫人と

 年の近いエドガーに恋心を抱くようになる獣医の一人娘。



 そして


 獣医にとってみれば、大事に思う二人の女性、妻と娘の両方の愛情をコウモリ少年に奪われてしまったかたちで。



 獣医がエドガーに抱く複雑な感情が、やがて大きな悲劇を引き起こします。




 実は、高校生のミュージカルなんだから、とちょっとバカにしていたところはあるのですが



 なんのなんの、素晴らしい舞台でした。



 演技もダンスも「たかが高校生」などとは言えないりっぱなもの。



 
 アメリカが舞台ということで、出演者全員がしっかりとアメリカ英語でセリフを発音していたのにも感心。



 ふだんはみんな、ニュージーランド訛りまる出しの英語で話しているはずなのに。



 高校生とは思えない本格的な舞台でした。


 
 そして我が家の長女。


 とても楽しんでやっているのは、観ていても分かりました。


 「その他おおぜい」のひとりではありましたが、私にしてみれば主役より大事なキャスト。


 舞台メークの長女の顔を
 
  ふ〜ん、化粧するとあんな顔になるのかぁ

       (けっこう美人でした。親バカ?)
 と眺め、


 白人でもなくアジア人でもない顔立ちが、その他おおぜいの中でいい意味で目立っているな(これも親バカ?)と思ったり。



 長女がステージに上がっている間は彼女ばかりを見ていました(やっぱり親バカ!)
 2時間半のショーが終ると午後10時近く。


 着替えが終って舞台裏から出てくる出演者たちは、いつもの高校生の顔になっていました。


 2回のマチネを含めて6回のショーを務め上げた長女とバットボーイの出演者、関係者全員に拍手、です。