ふたりの娘。二匹のメス猫。そして発達障害気味の夫。帆の街での「ごく普通の家族」のごく普通の一日はきょうもボチボチと暮れていきます。

Never Let Me Go

 いつもの仲間たちとカズオイシグロ原作の映画『Never Let Me Go』を観てきました。



 雨降りの休日、4時10分からの上映。



 終わって映画館を出てみると



 雨はまだやまず、外はすでに真っ暗……



             暗〜い気分



            映画も重かったし……



     今度はもっと楽しい映画にしようよ〜


 とひとりが叫びました。



 正直に言うと、わたしも



 この映画の感想をどう表現していいのか



 まだ言葉が見つからない、そんな感じ。




 主人公はキャシー、ルース、トミーという3人の若者。




 全寮制の学校で共に学び育った3人の物語ですが




 良くありがちな三角関係とか友情のもつれとか、そういう単純なものではなく、



 3人が育った状況がとてもとても特殊で、




 何がどんな風に特殊なのかを説明してしまうと




 映画そのものを説明してしまうことになるのですが。




 カズオイシグロ氏がなぜこんな特殊な状況を設定したのか
 そこからイシグロ氏は何を伝えようとしたのか


 
 よく理解できなくて、それが分からないということは映画も理解できていないということなのだろうと




 少し不安なのです。



 でも、この映画、好きです。



 イギリス特有のどんよりした空の下に広がる田園風景
 静かで悲しげなメロディーのBGM



 せつなく、悲しく、美しい映画でした。




 原作を読んでみたい(できれば英語で)、そういう気持ちになっています。