ふたりの娘。二匹のメス猫。そして発達障害気味の夫。帆の街での「ごく普通の家族」のごく普通の一日はきょうもボチボチと暮れていきます。

我ながらびっくりの衝動買い

日曜日の夜中(正確には日曜日の午前三時)に夏時間が終わりました。
これまでは朝7時は真っ暗の真夜中でしたが
しばらくは日の出直前の薄明るい時間になります。
どんどん日が短くなっていき
すぐにまた「真夜中の午前7時」になってしまうけれどね。





           (午前6時45分の空)





ところで、
先週、ものすごい衝動買いをしてしまいました。





              これ

       






生け花に使う花器です。
キース・ブライト(Keith Blight)の作品。




キースはニュージーランドではそこそこ名を知られた陶芸家です。
ギャラリーに並んでいるキースの作品には
高いものでは千ドルを超える値段がついています。





わたしが普段生け花に使っている花器は
日本で購入したものがほとんどで





ニュージーランド買ったものは
サラダやパスタ用のお皿だったり
引退を決めたメンバーから中古の花器を安く譲り受けたり。




最近はオプショップと呼ばれる
寄付された不用品のリサイクルショップで
(売上金はチャリティに使用されます)
中古の花瓶を見つけて使ったりしています。




つまり
生け花の花器にあまりお金を使うことはないのです。





生け花の花器に支払うのは40ドルくらいがせいぜい
キース・ブライトの作品を手に入れることなど
夢にも思ったことはありませんでした。




ところが!
数週間前、そのキースの作品が
我が家の近所にあるThe Salvation Army(救世軍)のチャリティショップに
大量に並んでいるという生け花のお稽古仲間からの情報が。




どれも35ドルだったという話に半信半疑で見に行ってみると、
救世軍ショップの棚にさまざまなガラクタ(!)に混じって
間違いなくキースの作品が陳列されています。
ただし、値段はどれも75ドルになっていました。
どうも、救世軍に持ち込まれたばかりのときに
価値を良く知らないスタッフが適当に35ドルの値段をつけたらしく
後になって、目利きのできるスタッフが35ドルでは安すぎると
判断したのでしょう。
(75ドルだって破格のお値段だけど)




憧れのキースの作品ではありますが
75ドルの花器はいらないなぁ。
(35ドルだったら買うんだけどね)
と思い、何も買わずに帰宅しました。




ところが、ところが!
帰宅してJBに何気なくこの話しをすると大興奮
「すぐに行って買って来よう」と言います。





JBがインターネットで調べてみると
救世軍の店に並んでいたのと似たような花瓶に
650ドルの値段がついていたんですね。




650ドルの作品が75ドルになっているんだ
何を迷っているんだ?





というのがJBの意見です。





結局、JBの興奮に押される形で救世軍の店に取って返し
いくつか並んでいた作品のうちから
一番キースらしい(とわたしが思う)赤い花瓶を買ってきました。




自分でもびっくりの衝動買い




キースは
草月流生け花の師範でもあり
高齢を理由に生け花を引退した数年前まで
草指連オークランド支部の会員でした。





芸術家として美に対する独自の信念を持っているせいか
なかなか頑固なお爺さんで
月1回の草指連のワークショップでチューターを務めるわたしの先生は
「キースは生徒としては教えにくいタイプ」と笑うのですが




わたしが知っているキースはいつも物静かで
矍鑠とした元気いっぱいのお姉さま方の中にいて
ひっそりとした印象でした。




わたしが買った花瓶も含め
ショップにあったキースの作品はすべて未使用のようでした。





キース・ブライトの作品がチャリティショップで売られるなんて




とキースを良く知っている
わたしの生け花の先生はため息混じりに嘆きます。





キースは高齢もあって体調が優れないらしく
今はもう制作はしていないようです。




わたしが買った赤い花瓶は
恐らくわたしの唯一のキースの作品になるはずです。




大事に使おうっと。