村上さんのところ
村上春樹さんが期間限定のホームページを立ち上げ
一般の人たちからのメールに返事を書くという企画が始まるという記事を
朝日新聞で見たのは、たぶん、
1月の初めだったのだと思います。
そう、大きな仕事が入るなど、夢にも思っていなかった頃
村上さんのこうした企画は以前にもあって
そのときの読者のメールと村上さんの返事をまとめた本を読んで
大笑いして楽しんだ記憶があります。
あれはまだ日本にいた頃だったけど。
だから、新聞の記事を読んだときは
おし! わたしもメール送るど!!
と、すごくはりきったのも記憶にあるんですけど
その後すぐに仕事が入って
このことはすぽ~んと頭から抜けてしまいました。
そして、仕事だけの3か月が終わり、ふと我に返って
(ホントに、非日常の世界に行ってましたから)
ググってみたら、すぐにページは見つかりましたが
やっぱり質問メールの受け付けは(とうの昔に)終了していて
それどころか
ホームページそのものも4月に閉じてしまう予定だったのが
幸いなことに5月13日まで延期になったと発表があったところでした。
今は、村上春樹さんから返事をもらえたラッキーな読者たちのメールと
村上さんの返事を毎日少しずつ読んでいますが
一般の人たちのメール内容は、まぁ、みごとにいろいろで
ばかばかしいのもあり、まじめなのもあり、むずかしいのもあり、
それに対する村上さんの返事も、いろいろですが
さすがというか、そつなくまとめていらっしゃる。
読んでいて楽しいのはすべてのメール回答に共通していますが。
一つ一つのメールは短いですが
読み始めると止まらなくなってしまって、
気づくと1時間ぐらい読んでます。おっとっとですねぇ。
最近のわたしは欲張りというか、意地汚いというか
村上さんの回答の中に、何か得るもの、自分のためになるものがないかと
必死になって探しているようなところがあります。
さらりと読み流して忘れてしまってもいいのに、
たぶん、村上春樹さんもそのつもりで書いていられるのだろうに。
それでも。
あ~、もっと本を読まなくちゃ、という気持ちになります。
「カズオ・イシグロは新しい本が出たら必ずすぐ読む」
というようなことが書いてあると
『Never Let Me Go』も『Nocturn』も、読んでみたいと思いながら
英語の本は英語で読む、などと変に意地はって
結局その英語が理由でいまだに読めずにいるわたしは、ズキッ!
「ドナ・タートの『The Goldfinch』は最高」といった文章には
本屋で手に取っていながら、
その分厚さに負けて、棚に戻してしまったわたしは、
またもやズキッ!!!
なんとか頑張って読んでみようかなぁ……
そう思った(決意したのじゃないけど)ことで
とりあえずはよしとしとこう。
実は、村上春樹さんが来月オークランドにいらっしゃいます。
Writers Festivalというイベントで、1回だけ講演をされるようです。
これを新聞で見たわたしは、すぐにコンピュータを置いてある部屋に飛んでいき
オンラインで、即、チケットを購入しました。
2、3週間後に見たら売り切れになっていましたから、
ニュージーランドでもハルキ・ムラカミは相当な人気のようです。
どんな内容の講演なのか
英語なのか? 日本語なのか?
キーウィたちはどんな反応をするのか?
いろんな意味で楽しみな夜です。待ち遠しい。