いい時代
我が家でよく利用する図書館は
オークランドで最初に日本語書籍のコーナーができた図書館です。
この図書館があるエリアは
昔から日本企業の駐在社員の家族が多く住んでいるところで
日本語補習校も、そもそもは、駐在社員の子弟が日本に帰国したときの
準備のためという理由で設立されたので、
最初はこのエリアにありました。
図書館の日本語の本も
こうした駐在の方々が帰国の際に寄付していったものを集めたようで
ずいぶん古い本ばっかりなのねぇ、という印象でした、実は。
当時は、日本語の本が読めるだけでもありがたいと思わなくちゃ
という感じでしたけど。
でも、状況はずいぶん変わってきています。
日本の景気がいまひとつのせいで、
駐在社員を日本から派遣する企業が減りました。
現地法人の社長や、支店の責任者はほとんどが現地採用の社員、
つまり、ニュージーランド人になってきているようです。
図書館の日本語コーナーも
先日久しぶりに行ってみたら
棚の3分の2は中国語の本で占められていて
日本語の本は隅っこのほうに申し訳程度に置いてあるだけでした。
オークランドの人口比率を考えたら
これはごく当然のことではありますが。
でも、棚に置いてないからといって、日本語の本が減ったわけではないのです。
最近は、図書館のホームページで検索して予約できるようになりました。
試しに「Japanese」をキーワードにして検索してみると
たくさんの本が出てきて、びっくりするほどです。
それから、補習校のお母さん仲間に教えてもらったのですが
ホームページには新着本のコーナーがあります。
その月にオークランド図書館に入った新着本の一覧が見られます。
このページに行くと「Community Language」というカテゴリーがあるんです。
英語以外の新着本ですね。
6月に新しくオークランド図書館に入った日本語の本は、なんと178冊だそうです!
3月、4月ごろにこのページを見たら、
新しく入ったのは中国語と韓国語の本だけで、
日本語の本は1冊もなかったので、
日本語の新刊はもう入らないのかなぁとガッカリしていたのですが
無用の心配でした。
しかし……
6月に入った本は実用書ばっかりですねぇ。
塩レモン、ついにオークランド上陸か?
わたしの塩レモンは失敗でしたが……
「腸ゆらしマッサージ」って、すごいネーミングですが
どんなマッサージなんだろう?
こういうのが今日本では流行っているのですか?
小説はないのかなぁ、と思ったら、ちょっとだけありました。
来月はもうちょっとフィクションを増やして欲しいものです。
オークランド市内のどこかの図書館に
日本人の司書の方が働いているそうです。
こういう本が読みたいと、その日本人司書にリクエストすれば
図書館が買い入れてくれるらしいのです。
日本語がどうしても読みたくて、でも他に選択肢がなくて
日本にいたら絶対手に取らないような『愛される理由』なんぞを
(駐在の方が置いていったものでしょうね、表紙が古びていました)
仕方なく借りて読んでいた頃から考えると、まさに夢のようです。
いい時代になったわ。