ふたりの娘。二匹のメス猫。そして発達障害気味の夫。帆の街での「ごく普通の家族」のごく普通の一日はきょうもボチボチと暮れていきます。

Mr Holmes

8月最後の日曜日も雨でした。

 

 

ただ、寒さの峠は、さすがに越えたようで

雨降りで薄暗い、暖房のない部屋にいても

じっとしていると手先が冷たくなるような寒さは

もうありません。

 

 

きょうは友人と映画『Mr Holmes』を観てきました。

 

 

主演はサー・イアン・マッケラン

90歳を過ぎた老ホームズです。

 

 

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イギリスの田舎で隠居生活を送るホームズは

すっかり年老いてしまって

毎日顔を合わせる家政婦やその息子の名前さえ

とっさに思い出せないこともたびたび

 

 

何十年も前に

探偵を引退するきっかけとなった最後の事件

これも、ワトソン博士の手によって発表され

映画化もされているのですが

ホームズは「これは正しくない、間違っている」と。

 

 

ワトソンが事実と異なる結末を発表したこの事件を

自分の手で書き記そうとするのですが

年老いたホームズには、過去を思い出すことも容易でない

 

 

なんだか、せつないですねぇ、こういうホームズを見るの

 

 

映画のエンディング近く

ホームズはウメザキという日本人(真田広之が演じていました)に

手紙を書きます。

 

 

外交官だった父が、母と幼かった自分を残して

消息を絶った理由を知りたいと迫るウメザキを

ホームズは「ウメザキなどという人物には会ったこともない」と

冷たく突き放すのですが

 

 

ホームズはウメザキに宛てた手紙に

「父親のウメザキ氏は英国の諜報機関で働いていたため

姿を消す必要があった」と記します。

 

 

これって、あれだよね……

 

 

ワトソンがホームズと

最後の事件の「被害者」アンの名誉のために

事件の結末を意図的に変えたように

 

 

何十年も経って

やっとそのことに気づいたホームズが

ウメザキに向けたささやかな「優しさ」だよね?

 

 

原作は読んでいないし

例によって英語力という壁もあるし

本当のところが理解できているのか

かなり怪しかったりはするのですが

 

 

静かで優しい映画でした。