ベネちゃんのハムレット
ベネディクト・カンバーバッチが演じる『ハムレット』
本日見てまいりました。
もちろん、ロンドンまで行ったわけではありません。
「ナショナル・ライブ・シアター」と言って
劇場で上演された演劇を映画館で上映するんですね。
「ベネちゃん命」の友人の情報で
では行ってみましょう!となったのですが
上映時間はなんと3時間半
途中20分の休憩が入り、私は一緒に行った友人と
持参のサンドイッチでランチタイムにしました。
帰宅してからネットで調べたら
この『ハムレット』、カンバーバッチはすばらしいけれど演出がいまいち
という批評が多いみたいですね。
う~ん、やっぱりね……
何が偉そうに「やっぱりね」なのかというと
オリジナルの作品ではないのですから。
これまでたくさんの『ハムレット』が上演されてきたし
シェイクスピアや『ハムレット』を愛する人たちは
作品を読み込んで、自分なりの「ハムレット像」を作り上げているかもしれないし。
演出家の解釈が自分の「ハムレット」と違ったら
そりゃやっぱり面白いとは思わないわよねぇ。
実は、卒論のテーマが『リア王』だったりして
中途半端にシェイクスピアを知っているこのワタクシにも
なんとなく違和感のあるハムレットでありました。
ハムレットって、ウジウジした優柔不断な奴というイメージだったんだけど
ベネちゃんのハムレットは結構お茶目で、行動的。
最初のほうこそ亡き父を思ってメソメソしていたけど
父が殺害されたと知ってからは、怒り一直線で
ず~っと怒って、ず~っと怒鳴ってた。
わたしが知ってるハムレットと、なんか違うような気がする……。
『ハムレット』という作品があって、カンバーバッチを持ってきたのか
カンバーバッチという俳優がいて『ハムレット』を選んだのか
わたしは後者だと思うんですよね、この作品。
だから、カンバーバッチありき、というか。
ベネちゃん、すごく、いいの。
でも、「シェイクスピア大好き」の人には許せないかもしれない。
何よりも、わたしは、セリフが現代風に変えられていたのが、ちょっと。
カンバーバッチの魅力のひとつはあの魅力的な深い声でしょ?
シェイクスピアの特徴である
iambic pentameter (強弱5歩格)のblank verse(無韻詩)を
ベネちゃんのあの声で聞いてみたかったなぁ。