映画 『45 Years』 とカツ丼の話し
きょうは映画を観てきました。
友人3人との待ち合わせでしたが
上映時間10分前になっても誰も現れない。
前回『あん』を観に行ったときは
わたしが遅刻すれすれになってしまったので
きょうは気をつけて家を早めに出たというのに。
5分前になって友人ひとりがあたふたとやって来たところに
残り二人のうちのひとりから連絡。
残り二人は一緒に来るはずだったのが
車で迎えに来る予定だったほうのひとりが時間を勘違いし
このままでは映画にはとうてい間に合いそうもないと。
ということで、映画は二人で見ることになり
残り二人は映画が終わったころに合流してランチということに。
カツ丼を食べました。
オークランドの和食レストラン、大抵の店でカツ丼を出しますが
卵でとじた「日本式」のカツ丼はあまりなく
大体はカツにソースをかけただけの「ソースカツ丼」
どうも、キーウィたちはカツのカリカリとした衣を
卵でとじて湿らせてしまうのが嫌いなようで。
てんぷらも同様らしく
てんぷらうどんやてんぷら蕎麦のてんぷらは
丼に載せるのではなく、別のお皿に盛って供するらしい。
でも、日本人のわたしたちは
汁を吸って少ししな~となったてんぷらの衣も
卵でとじた柔らかいカツの衣も、大好きですので
ソースカツ丼でない「ふつうの」カツ丼が食べられるお店がうれしいです。
話を映画に戻します。
観たのはシャーロット・ランプリングの『45 Years』
(邦題は『さざなみ』というらしい)
結婚45周年のパーティを土曜日に控えた月曜の朝
夫の元に、50年前にスイスの山で遭難した恋人の死体が
氷漬けになって見つかったという手紙が来ます。
昔のことだと言いながらもどうしようもなく心が揺れ動いてしまう夫
動揺を隠しきれない夫の様子に傷つく妻
この夫婦の他に登場人物はほとんどなく
ふたりの静かな会話だけで
月曜から、火曜、水曜と続く時間の流れを
映画は静かに追って行きます。
そして土曜日。
結婚記念のパーティのスピーチで思わず泣きだす夫の手を
優しくさする妻
このまま、明日、明後日と、何もなかったように
時間は過ぎていくのかなぁ、と思っていましたら……
ラストシーンの彼女の表情!
えっ?! と思った瞬間に映画は終わりました。
前半は、ちょっと退屈かなぁと思ったくらいの
静かな映画でしたが
このラストで印象がすっかりひっくり返ってしまった。
名作とはこういう作品を言うのか、と唸った映画でした。
熊本とその周辺地域での地震で被害に遭われた皆様に
心よりお見舞い申し上げます。