ふたりの娘。二匹のメス猫。そして発達障害気味の夫。帆の街での「ごく普通の家族」のごく普通の一日はきょうもボチボチと暮れていきます。

我が家にシェフが欲しい理由

きのう、ご招待いただいたお宅でのランチは

鰤とエディブルフラワーのサラダの前菜から

柑橘類のスフレのデザートまで、全6品

和食とフレンチが見事に融合したすばらしい料理ばかりでした。

 

 

ドリンクも

日本酒での乾杯から始まって

食事中は白と赤のワインを

給仕の方が的確なタイミングでグラスに注いでくれます。

もっとも、わたしはお酒に弱く

ワインを2センチも飲めば酩酊してしまうので

お水だけをいただいていました。

 

 

こんなとき、お酒が飲めないというのはつまらないなぁと感じます。

我が家では飲めないような高い おいしいワインが飲めるチャンス

この次があるかどうかも分からないのだから

この際、真っ赤な顔になってもいいから飲んじゃおうか

という卑しい貧乏人根性をなんとか押さえることができたのは

とても飲みやすくおいしいスパークリングウォーターのおかげでした。

 

 

おいしい料理に会話も弾んで、帰宅は3時過ぎ

月曜あたりから少し体調が悪く

コホコホと遠慮がちな咳が出ていたのですが

今週は何やかやと忙しく、外出、外食が続いたせいもあってか

きのう、家に着くころにはゴホンゴホンという盛大な咳になっていました。

 

 

幸い、この週末は何の予定もなし

おまけに今日は外は嵐だし

レモンを入れた白湯の魔法瓶と

3月に図書館に予約を入れて半年待ってやっと順番が回ってきた

村上春樹の『職業としての小説家』を持って寝室に籠る。

 

 

夕飯はJBが作ると言ってくれました。

何を作って欲しい? と訊かれて頭をよぎったのはきのうのランチ

 

 

いえいえ、あんな豪華な食事がまた食べたいというわけではありません。

ただ、たとえば

きょうはさっぱりと素麺の気分、とか

やっぱりがっつりお肉が食べたい、とか

わたしが食べたいものを、わたしが食べたい味付けで、きっちりと作ってくれる

そういう料理人が家にいたら、どんなにかうれしいだろうと。

 

 

結局のところ、JBには、どんなに説明したところで

わたしが何を望んでいるかは半分も伝わらないのです。

そして食卓に上るのは、これも結局のところ、JBが食べたいもの。

それがチーズとベーコンと卵たっぷりのコレステロールの塊のような料理でも

「おいしい、ありがとう」とにっこり微笑むのがわたしの任務です。

 

 

思うに、

世の奥様方が少しぐらい体調が悪くても、無理をして台所に立つのは

自分が食べたいものを食べるには自分で作るしかないのだと

分かっているからではないのかと。

 

 

一方で、まだ人生の機微をまだよく知らない若者たちは

その分、かえって勇敢で大胆

 

 

父親が夕食担当と知った長女

「え~!? またステーキ? やだ、わたし、食べない」ときっぱり。

 

 

娘よ、その潔さが、わたしはうらやましい。