お茶漬けの味
NHKで放送していた小津安二郎監督の『お茶漬けの味』
わたしが生れる前に作られた映画って、どんな感じなのかなぁ
という興味だけで観てみました。
おもしろかったです。
出演しているのが
佐分利信、小暮実千代、淡島千景、鶴田浩二、津島恵子……
と、そうそうたる俳優陣
もちろん、有名な俳優ばかりなので、わたしも全員知っていますが
わたしが記憶しているのは、みなさんがすでに中年を過ぎた頃の姿なので
鶴田浩二の愛嬌のあるハンサムぶりや
淡島千景のキリリとした美しさに
いや~、昔の俳優さんって、みんなかっこいい人たちばかりだなぁ
とあらためて感じ入りました。
70年も前に作られた映画なのに、ストーリーに古臭さはなかったですね。
主人公の奥さんのわがままぶりにちょっとイラつきつつも
すごく共感してしまったり。
昭和27年の制作
戦争が終わってまだ数年の頃。
鶴田浩二が演じた青年が
「僕の背広は(軍の)放出品ですよ」と言ったり
主人公が、一緒に戦った戦友と町で再会したり
戦争の「残りもの」がまだあちこちに存在していた時代ですね
それらと、
主人公の奥さんやその友達たちの派手で贅沢な暮らしの描写との間に
それほど違和感がない
そういう点もおもしろい映画でした。