日焼け止めクリーム、皮膚癌、シミ取り治療 その1
話は突然9月初めに戻ります。
皮膚科の専門医のところに、皮膚がんの検査に行ってきました。
クリニックがあるのは
オークランドでも裕福層の白人が多く住む古くからのお金持ちエリア
先日、耳の掃除をしてもらったクリニックの近くです。
あのクリニックと同じように、
1920年代頃に建てられたバンガローと呼ばれるスタイルの
民家を改装して使っています。
ネットから借りてきたバンガローの写真
クリニックもこんな感じの白い建物でした
正面玄関を入ると受け付けと待合室で
年齢が少し高めの白人のご婦人たちが10人近く座っていました。
皆さん、メラノーマの検査か治療だろうか
こんなにたくさんの人が皮膚がんを心配しているのか……
と思いながら、受け付けでもらった登録用紙に記入していきます。
おや、医療保険の加入の有無を訊いています。
ニュージーランドでは
日本のような、国や自治体が運営する健康保険はないので
医療保険と言えばすべて保険会社のもの
「加入している場合は保険会社の名前も記入するように」とあります。
ちなみに、JBが保険料がもったいないというので我が家は無保険
本当に皮膚癌ということになったら
保険料どころじゃない金額が出ていくはずですが
それだけの蓄えはあるそうなので
(これはJBの言葉を信じるしかないですが)
さて、診察をしてくれたのはDr Patelというインド人医師
にこやかな笑顔と滑らかな英語での流ちょうな話しぶりは
医者というよりも……セールスマン?
話をはしょります。
結論から言うと、わたしの黒い点はメラノーマではないそうです。
では何かというと、単なるシミ
顔中に広がるシミそばかすと同じものなのだそうな
あ~、よかったぁ、
と胸をなでおろしている間にもDr Patelの柔らかな声が続きます。
「で、私が勧める治療法としては……」
え? やっぱり治療が必要なものなの?
「ビタミンA入りのクリームです」
ビタミンA? ビタミンCではなく?
「このクリームは少~しずつ皮膚を削っていくもので……」
皮膚を削る?
「クリームで効果が出ない場合は、ここに通っていただいて……」
通院治療?
「レーザー光線で取るという方法もあります」
レーザー治療?
このとき、わたしの頭の中に
待合室にいた数名の白人婦人たちの姿がフラッシュバック
あぁ、あのお金持風のご婦人方は、メラノーマの検査でも治療でもなく
レーザーのシミ取りに通っていたんだ……
後で知ったのですが
レーザーのシミ取り治療は医療保険の対象になるのだそうです。
が、保険会社によっては対象外扱いしているところもあるそうで
受け付けでもらった登録用紙の
「医療保険に加入しているか」、「どこの会社の保険か」という質問は
メラノーマの治療のためというよりは
シミ取り治療のためのだったらしい。
医療保険の保険料をケチるJBが
レーザーのシミ取り治療など認めるはずもないし
このまま放っておいたらまずいことが起こるのか、と訊いたら
「全然! 何の問題もなし」という答えだったので
レーザー治療はお断りして帰ってきました。
でも、ビタミンAのクリームというのはちょっと面白そうだったので
処方箋を書いてもらいました。
ReTrieveというクリーム
主にオーストラリアとニュージーランドで使われているようです。
トレチノイン0.05%配合
トレチノインって何ぞや?
で、ネットで調べたところ
トレチノインとは、ビタミンA(レチノール)誘導体で、生理活性はビタミンAの
50倍から100倍であり、さまざまな肌トラブルに有効な物質である……
ん~……???
このトレチノイン、
古い角質を剥がし、積極的に肌の再生を促す、のだそうです。
つまりは、レーザーと同様に、シミが出ている部分の皮膚を少しずつ削っていく
ということかな。
なので、塗ったあとに皮膚が赤くなったり、
ヒリヒリしたりという副作用もあるようで
Dr Patelも、使用法の説明で
「まず初めは週に1回だけ、少量を塗ってみて
違和感がなかったら、次は週に3回、5回と回数を増やして」
と言っていました。
慎重に使う必要がある薬のようですが
それでも、(値段も含めて)レーザーよりは気軽なことは確か。
子供のころから顔いっぱいに広がっているそばかすが
すっかり消えることはなくても、薄くなってくれたら
それはやっぱりうれしいかも。
まずは顔のあまり目立たないところにある
小さめのシミから試してみようかなと思っていたのですが
ちょっとした問題が発生してしまって
いまだに使っていません。
どんな問題なのかというと
少し長くなったので、また次回。