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ふたりの娘。二匹のメス猫。そして発達障害気味の夫。帆の街での「ごく普通の家族」のごく普通の一日はきょうもボチボチと暮れていきます。

王様の死

 悲しいできごとがありました。

 我が家の二階、JBが仕事場に使っている部屋は、以前はベランダになっていたそうで、海側の窓は大きなガラス張りになっています。そのガラスは外からは部屋の中が見えない特殊ガラスで、階下のデッキで洗濯物を干しながら上を見上げると、ガラスには空と雲が映っています。
 そんなガラスは空を飛んでいる鳥たちにはけっこう迷惑なシロモノのようで。空が続いていると思ってか、飛んできた鳥がガラスに激突するという事件が年に2、3回は起こります。
 だいたいは、ガラスにぶつかってフラフラと落下しても、途中で体勢を立
て直して飛び去っていく鳥がほとんどで、一度、地面まで落ちてしまったブラックバードがいましたが、脳震盪をおこして気を失っていたようで、しばらくしたらヨロヨロと起き上がり、なんとか自力で飛んで行きました。
 
 今日のおひる少し前。2階にいたら


            バンッ


と、ものすごい音がして、私など思わず椅子から飛び上がったほどでした。また鳥がガラスにぶつかったな、とは思いましたが、いつものことで、ぶつかった鳥はそのまま飛んで行ってしまったものと思っていました。

 ところが、それからしばらくして、お昼ごはんを食べるために階下に行ってみると、外のデッキの上に鳥の死骸が。


        



         キングフィッシャー(かわせみ)です。


 魚をとって食べる鳥で、海が近いせいか、近所の家のアンテナにとまって海のほうを眺めている姿を、時々ですが、みかけることがあります。珍しい鳥、というほどでもありませんが、どこにでもいるという鳥でもありません。「キング」という名のとおり、どこか威風堂々とした雰囲気のある、凛々しい鳥です。ブルーの羽もとても美しい。
 その王様の鳥が我が家のガラスに激突して死んでしまったのです。

 JBと私、次女の3人で、王様の亡骸を見下ろして、しばし、沈黙。

 次女とJBが庭のクチナシの木の根元に埋めました。

 こうした悲劇はもう起こって欲しくありませんが、といって、2階の窓を普通のガラスに変える予定もありません。前の道から部屋の中が丸見えになってしまっては物騒ですから。
 そういうわけですから、王様、ごめんなさい。