ペテン師たち
我が家とドライブウェイを共有する奥の家のオーナーが
赤ワインのボトルを持って我が家にやってきました。
あの家の持ち主はベンという青年で
数年前に仕事のために飼い猫のマックスを残して
オーストラリアに渡ってしまいました。
3部屋ある家は、一部屋ずつ3組の借家人を入れ
ベンの両親が大家として時々家の様子を見に来ていました。
そういうとき、我が家の車庫の前のスペースに駐車するのですが
わたしたちも、車の出し入れに支障がない限りは、
特に問題もないので黙認していました。
赤ワインはそのお礼でした。
(こういう気遣いのしかた、わたしも見習わねば)
当初、ベンの仕事は2年という話だったので
まだオーストラリアなの? と訊いてみると
今はロンドンにいて、ボストン出身の女性との婚約が調ったばかり
来年あたりは結婚してここに戻って来てくれると思うんだけど
とうれしそうな様子だったので
それはよかった。マックスもときどき淋しそうな様子のときもあるし
いつもお腹を空かしているみたいだし
と、気になっていたことを話してみると
あら、マックスはちゃんと食べてるはずよ
大きなエサの袋を毎月4袋も持ってきているし。
借家人たちもエサはきちんとやっていると思うけど
とのことで、
私たちはマックスをセールスマンと呼んでるのよ
え?
ほら、ちょっと「con artist(ペテン師)」みたいなところ、あるでしょ?
な~るほどぉ~
Max the Con Artist(ペテン師マックス)
そう言えば、我が家にもいましたね。
わたしが出したエサを電光石火の速さで平らげたあと
部屋から長女が出てくると、飛んで行って
「エサ~、エサ~、あたし、空腹で倒れそうなんですぅ」
とでもいうような鳴き声で騙そうとするヤツが。
その切羽詰まった鳴き声に、本当に空腹なのだと人間たちが思い込み
二重にエサを与えてしまったことも数知れず。
猫って、生まれながらのペテン師なのね?