夜が暗いとはかぎらない
最近は、
オークランドの市営図書館でも
比較的新しい日本の本が借りられるようになった
ウェブサイトのNew Titles(新着本)のページから
Languages (言語)→ Japanese(日本語)と行くと
その月に図書館に入った日本語の本のリストが見られる。
たまに、
児童書ばかりだったり、
料理本や健康に関するような実用書ばかりだったり
という月もあるけど
直木賞や本屋大賞などを受賞した話題作は
オークランド在住日本人からのリクエストが入るのか
割とすぐに蔵書に加えられるような気がする。
ここ2年ほどは日本に帰れていないけれど
『オルタネート』も『52ヘルツのクジラたち』も『流浪の月』も
図書館で借りて読んだ。
定期的にこの新刊書紹介のページをのぞくのが習慣になって
そこで見つけた、今まで読んだことのない作家の本も
借りて読むことが増えた。
本日読了の『夜が暗いとはかぎらない』もその1冊
寺地はるなという作家の作品は読んだことがない
というか、名前を聞いたこともなかった。
図書館のウェブの作品紹介を読んで
「号泣必至の心温まる感動作品」みたいだったら嫌だなと思ったけど
その心配はなかった、ちょっとジンと来たけど、泣かなかったし。
たくさんの登場人物たちが
皆、それぞれに鬱屈を抱えていて
それがスパッと消えてしまうような大きな事件は何も起こらないけど
周囲の人たちの何気ない言葉やちょっとした行動に
ふわっと、ほんの少しだけ気持ちが軽くなって
「ま、しょーがない、あしたからも生きていくかぁ」と思う。
そんな感じ。
そしてわたしも
とりあえず、あしたも生きていくのです、たぶん。